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| ■前十字靭帯損傷(anterior cruciat ligament 略してACL) | ||||
![]() 膝関節の構造 | 大腿骨(ももの骨)と脛骨(すねの骨)の間を膝関節といいます。この膝関節の中央部には約3センチの長さの前十字靭帯と呼ばれる紐があります。この靭帯は、膝関節が安定して動く為に非常に重要なものです。 | ![]() 前十字靭帯 (関節鏡視下から) | ||
| ■1.損傷の原因 | ||||
| 膝を軽く曲げた状態で、 1)大腿部の外旋(外側にねじれること)下腿(膝から下の部分)の 1)内旋を強制されるとACLが 断裂します。 | ||||
| <例>バスケットボールでのディフェンスとの接触の時 | ||||
![]() ディフェンスの足の上を踏み前方へ体が流れ伸び上がってしまった場合 | ![]() | |||
| <例>スキー滑走中での方向転換 | ||||
![]() 無理に方向を変えようと谷足のスキーの先端を引っ掛けバランスを崩した場合 | ![]() | |||
| ■1.損傷の原因 | ||||
| 2). 下腿(膝から下の部分)の外旋、膝の外反を強制されるとACLが断裂します。 | ||||
| <例>スキー滑走中にスキーの先が引っかかりバランスを崩し膝がねじれた時 | ||||
![]() | 受傷時の膝の状態 ![]() | |||
| <例>膝を曲げて立っている時,突然膝の外側に他人や物が強く当たった時 | ||||
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![]() 左足の膝に人や物が倒れてきた場合 |
| ■1.損傷の原因 | ||||||||||||
| 2). 下腿(膝から下の部分)の外旋、膝の外反を強制されるとACLが断裂します。 | ||||||||||||
| <例>ジャンプの着地の時 無理な体勢からのシュートによりバランスを崩し、片足での着地によって膝に負荷が加わった場合 |
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| ■1.損傷の原因 | ||||
| 3). 非接触、自己筋力によって引き起こされる場合 | ||||
| <例>スキーでのACL単独損傷 大腿四頭筋が強度に収縮し、スキーブーツの後ろ側による脛骨の前方引出しの力が加わった時に断裂 | ||||
![]() スキー滑走中にバランスを崩し、尻餅を着きそうになった時、無理に体勢を立て直そうした場合など | ![]() 受傷時の膝の様子 | |||
| ■1.損傷の原因 | ||||
| 4). その他、次のような場合などにもACLが断裂します。 | ||||
![]() サッカー中にボールをキックしようとした時に、相手の足や体で、大腿部を押さえられ、膝が過伸展した時 | ![]() 受傷時の膝の様子 | |||
![]() 走っていて急に立ち止まったとき | ![]() 受傷時の膝の様子 | |||
| ■2.ACL断裂の症状 | ||||
| 受傷した瞬間にポンと言う音が聞こえることがあります。 数時間以内に膝関節の腫脹が現れてきます。これは関節の中で出血が生じた為です。注射器で抜き10cc以上の血液が採取されます。 | ![]() | |||
| 受傷後、歩行時に膝の不安定感が出現します。歩行中に急に力が入らなくなったり,膝崩れの状態になったりします。 | ![]() | |||
| ■3.病院での検査 | ||||
| 整形外科医師は患者さんをあお向けに寝かせて,膝の部分を引いたり、捻ったりして色々な検査をします。 | ||||
| Lachman test 膝を30度曲げて、大腿部を押さえながら前方に引き出せるか検査します。 | ![]() | |||
| 前方引出しテスト 膝を90度曲げて、下腿を両手でつかみ前方に引き出せるか検査します。 | ![]() | ![]() | ||
| ■ピポットシフトテスト | ||||
| 患肢の膝を伸ばしておいて足を内旋させ、膝の外側に圧迫を加えながら、膝をゆっくりと曲げていくと、30度ほど曲げたところで、カクンといって膝が正常な位置に戻ります。(伸展位では、下腿骨が前方にずれています。) | ![]() ![]() | |||
| ■4.MRI | ||||
| ACLの断裂は熟練した整形外科の医師が受傷した時の状態を良く聞いたり、一般的な検査を行うことにより診断できる場合が多いと思いますが、腫れや痛みが強く、十分な検査が出来ない場合や、半月板など外の部位の損傷も考えられる時にはMRIの検査が必要です。 | ![]() | |||
| ■MRI 画像 (Normal 像) | ||||
| T2 画像による側面像(矢状面)の膝。正常な場合には、下図のようにACLがはっきりと黒く見えます。 | ||||
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| ■MRI 画像 (Abnormal 像) | ||||
| T2 画像による側面像(矢状面)の膝。前十字靭帯(ACL)の映像が消失して、完全な形としては現れない。また血腫も認めらる。 | ||||
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| ACLと診断された場合に、手術を受けるかどうか、専門の医師と十分相談してから判断する必要があります。断裂したACLはアキレス腱の様に縫い合わせても成績が良くないので一般的には行われません。その代わりに外の部位から腱を採取して、新しい靭帯の代用物を作り、関節の中に固定する方法があります。 | ![]() |
| 今後も激しいスポーツ,例えば、サッカー、野球、バスケットボールを行う予定の人には,手術を受けられることをお勧めします。 | ![]() |
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| ライフスタイルを変えて,軽い運動のみ行う人の場合には,保存的治療(手術を受けないで,リハビリで筋力強化の為のトレーニングをすること)をお勧めします。 | ![]() |
| ■手術 | ||||
| 手術には色々な方法がありますが、経験豊富な医師が一番得意とする方法で手術を受けることがbest choiseだと思います。 | ![]() | |||
| 膝蓋骨と脛骨の間にある膝蓋腱は幅が約3センチ程ありますが、真中の1センチ程を上下に骨を付けたまま採取して、前十字靭帯のかわりにする方法です。 | ||||
![]() 膝蓋腱を採取した膝 | ![]() | 膝蓋腱を採取した部分 | ||
| ■B T B (bone tendon bone) 法 1 - 2 | ||||
| 骨の付いた部分は、大腿骨とけい骨に掘られた穴(骨孔)の中に差込まれ、 特殊なスクリューで固定されます。 | ||||
![]() 骨孔を作製 | ![]() 採取した膝蓋靭帯を骨孔へ挿入しスクリューで固定 | |||
| ■B T B (bone tendon bone) 法 1 - 3 | ||||
| この方法の長所 ・ 腱の部分が丈夫である。 ・ 腱に付いている骨と大腿骨、脛骨との癒合(骨と骨がつくこと)がしやすい。 | ||||
| この方法の短所 ・ 比較的、手術による傷が大きい。 ・ 膝蓋骨や脛骨から骨を採取した部位に疼痛が残る可能性がある。 ・ 特に膝を着いて仕事がしずらくなる可能性もある。 ・ まれに膝蓋骨骨折を生じることが報告されている。 ・ 膝伸展筋力が一時的に低下する。 | ||||
| かつてアメリカではゴールドスタンダードと呼ばれて大半の手術が、この方法で行われていましたが、最近は、次に説明するSTG法がかなり多く行われているようです。その理由はやはり骨採取部位に痛みが残ることがあるからのようです。 |
| ■STG法 1-1(二重束再建法) | ||||
| 膝の内側には、膝を曲げる筋肉の一部が腱になっています。その中の半腱様筋腱(semitendinous tendon)と、薄筋腱(gracilis tendon)を採取して折りたたみ、前十字靭帯の変わりとする方法です。 | ![]() 上図の矢印部分の腱を採取 | |||
| 移植腱作製手順 | ||||
![]() | ![]() | ![]() | ||
| ■STG法 1-2 | ||||
| この移植健の大腿骨側には人工靭帯が付けられ、その端にエンドボタンと呼ばれる金属が付けられ大腿骨に固定されます。脛骨側はステープルと呼ばれる小さな鎹で直接骨にとめられます。 | ||||
![]() 完成された移植腱を膝に挿入 正面 | ![]() 移植健が挿入され、関節鏡から実際に見た画像 | ![]() エンドボタン ![]() ステープル | ||
| ■STG法 1-3 | ||||
| この方法の長所 ・ 十分に太い靭帯が作成できる。 ・ 手術の傷が比較的小さい。 ・ 当院では、二重束再建術(正常な靭帯のように2つの靭帯繊維束を作る)を行っており、 より正常靭帯に近い機能が得られる。 | ||||
| この方法の短所 ・ 屈筋力が一時的に弱くなる。 ・ 腱と骨が癒合するのは、骨と骨が癒合するより一般的には遅いといわれている。 ・ 癒合がおくれた場合には、大腿骨に掘った、穴が大きくなること(骨孔の拡大)。 |
| どんな手術も同じですが、特にこの手術は熟練した医師がおこなうべき手術です(technically demanding procedure)。その他にも色々な方法が報告されています。 | ||||
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| ■7.入院 | ||||
アメリカではday surgeryのシステムが発達していてACL再建術も日帰り手術として行われているようです。日本では、保険の問題、自己責任の問題、病院の体制等の問題があり、2週から4週間入院して治療を行う病院が多いと思います。![]() | ![]() | |||
| ■8.リハビリ | ||||
| 手術前から下肢の筋力を十分に鍛えておく必要があります。手術直後は大腿の筋肉がかなりやせますので、理学療法士の指導のもとで、プログラムにそってリハビリを行うことが大事です。 | ![]() | |||
| 2週目で手術した方の下肢に全部の体重をかけられるようになります。6~9ヶ月目で一般的なスポーツが可能になります。激しいスポーツへの完全復帰は1年後です。 | ![]() | |||
| 術後 | ROM | 装具伸展制限 | Exercise | 荷重 |
|---|---|---|---|---|
| 0W | 安静固定 | 30 | ・患部外トレーニング | NWB |
| 1W | 0~90 |
・co-contraction(45°~60>flex) ・squat(60°>flex) ・calf raise |
1/2WB | |
| 2W |
・固定自転車 ・Leg Curl ・二重チューブ(90°>flex) |
FWB | ||
| 4W | 0~120 | 20 | ・Skating(装具下) ・Knee Belt Walk ・Twisting |
|
| 6W | ||||
| 10W | 10 | |||
| 3M | Full | 0 | ・Jogging | |
| 4M | ・hop ・low speed run ・Step Drill |
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| 6~9M | ・Full return |
























































